2023年10月から開始されたインボイス制度。
最近は請求書や領収書などのインボイスを、紙ではなく、PDFやダウンロード形式の「電子データ」で受け取るケースが増えてきています。
今回は、PDFやダウンロード形式のインボイスを受領した場合の保存方法についてお話します。
インボイスをPDFやダウンロード形式の「電子データ」で受け取った場合
最近は、インボイスを電子データで受領するケースが増えています。
電子データのインボイスとは、例えば次のようなケースです。
- 取引先からのメールに添付されたPDFのインボイス
- インターネットのサイトからダウンロードするインボイス
- EDI取引(会社間の電子取引)で受領するインボイス
特に、Amazonや楽天などのECサイトで購入する機会が多い方。インボイス制度開始後は「領収書」をインボイスとして保存しておく必要がありますが、領収書もECサイト上からダウンロードする形式のことが多いです。
こういった電子データのインボイスであっても、もちろん紙のインボイスと同様に保存しておく必要があります。
では、電子データのインボイスはどのように保存しておくのが正しいのでしょうか。
2023年12月31日までにやり取りしたインボイス
2023年12月31日までにやり取りしたインボイスについては、PDFなどのインボイスを紙に印刷して保存しておくことも認められています。
例えば、2023年12月31日までにAmazonで購入した商品であれば、Amazonのサイトからダウンロードした領収書を印刷して紙で保存しておくことが認められています。
従来から証憑類を紙で保存してきた場合には、PDFのインボイスも紙に印刷して保存しておいたほうが管理しやすいかもしれません。
しかし、このように紙に印刷できるのは2023年12月31日までに受領したインボイスまでです。
2024年1月1日以降にやり取りしたインボイス
2024年1月1日以降にやり取りしたインボイスは、電子データのインボイスであれば電子データのまま保存しておく必要があります。
つまり、原則としてPDFなどの電子データで受領したインボイスを紙に印刷して保存することができなくなります。
例えば、AmazonのサイトからダウンロードしたPDFの領収書は、そのPDFの形式のまま保存しておく必要があります。
メールに添付されたPDFの請求書も、そのPDFの形式のまま保存します。このとき、メールの本文自体はPDFにして保存する必要はありませんが、メール本文にインボイスの内容を補足する情報が書かれているような場合にはインボイスと合わせて保存しておきます。
電子データのインボイスは、発行側も受け取る側も双方が電子データのまま保存しておく必要がある点にも注意しましょう。
この2024年1月1日以降の取り扱いは「電子帳簿保存法」によって規定されているルールです。
電子帳簿保存法では、電子取引データを保存する際の要件があり、定められた方法で保存しておく必要があるので注意が必要です。
ただし、いくつかのクラウド会計ソフトではすでに電子帳簿保存法に対応していて、会計システムに電子取引データをアップロードしておけば保存要件を満たせるというものもあります。お使いの会計システムの対応状況を確認しておきましょう。
まとめ
今回は、インボイスを電子データでやり取りした場合の保存方法についてお話しました。
2024年1月1日以降は、PDFなどの電子データで受領したインボイスは、電子データのまま保存しておく必要があります。
電子帳簿保存法のルールに沿った保存が求められる点にも注意が必要です。
ご参考にしてください。
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記事の内容は投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。また、理解のしやすさを優先し、厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。